ひだ・民族文化映像を上映する会

『カタロニアの復活祭』

◎1988年/57分/自主制作/共同)コレジュ・ド・フランス形質人類学研究所/フランス・カタロニア地方

 


ピカソ、ダリ、カザルス、ガウディなど、世界的な芸術家を生んだカタロニアは南フランスからスペインにかけての地中海沿いの地域で、現在はフランス・スペイン両国に分断されている。これはペルピニアンを中心にした、フランス側カタロニアの復活祭の記録である。

カタロニアは歴史の古い地域である。地中海に近いトータベルの洞窟からは、世界で最も古いホモ・サピエンスの頭骨など、おびただしい先史遺物が発掘され、またドルメンとよばれる新石器時代から青銅器時代にかけての墓が各所に分布もしている。それら先史時代の人々と今日のカタロニア人は直接にはつながらないといわれるが、今日のカタロニア人が歴史に登場するのは古代であり、宗教的には、11~13世紀にはユダヤ教がひろがり、その後キリスト教が入ってきたといわれる。
 
復活祭は、キリストの受難を偲び、復活を祝う行事である。春分の後の満月直後の日曜日が復活の日で、その前の火曜日から行事は始まる。
カタロニアは17世紀、フランス側とスペイン側に分断されて以来受難の歴史をたどってきた。人びとはキリストの受難の姿に自分たちの苦しみをかさねながらも、自らのアイデンティティを守って、この復活祭を行ってきたのである。イーユ・シュル・テットのゴッチュ・デル・オースなどの行事や復活祭につきものの素朴なエスカルゴ(カタツムリ)料理、あるいはサルダナの踊りなどに、古いカタロニアの民俗が偲ばれる。
なお、この記録映画はコレジュ・ド・フランス形質人類学研究所との第二次共同作業のなかで生まれたものである。

姫田忠義さんは、前作品「アマルール」と合わせて、1989年にフランス芸術文学勲章オフィシエールを叙勲しました。

◎スタッフ
製作/小泉修吉、姫田忠義、ジャック・リュフィエ(コレジュ・ド・フランス)
現地取材指導/ジャック・ガスパール・ドロンクル(カタロニア芸術民族博物館)
演出/姫田忠義 撮影/伊藤碩男、小原信之 演出助手/長尾和紀
製作デスク/福井清子 通訳/菅沼真理子、矢田部和彦

 

 

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7月29日(金) 

20:00~
会費:1,000円+1ドリンクオーダー